大腸の病気
大腸の病気

便潜血陽性、健診異常、大腸がん予防が気になる方へ大腸ポリープは、多くは無症状で、便潜血検査陽性、健診の精密検査、大腸カメラで偶然見つかります。
ポリープにはいくつか種類がありますが、特に腺腫性ポリープ(腺腫)は将来的に大腸がんへ進行する可能性があるため、早期発見と切除がとても重要です。
大腸がんの多くは、良性の腺腫が数年かけて少しずつ大きくなり、がん化して発生すると考えられています。つまり、大腸ポリープの段階で切除することが最も効果的な大腸がん予防です。
診断で最も重要なのは大腸カメラ(大腸内視鏡検査)です。
ポリープの大きさ、形、表面構造、がんの可能性を詳しく観察し、その場で切除できるかを判断します。
血便・下痢が続く方は、潰瘍性大腸炎の可能性があります。
潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis:UC)は、大腸の粘膜に慢性的な炎症が起こる病気で、主に直腸から連続して炎症が広がっていくのが特徴です。比較的若い世代に多い病気ですが、近年では中高年で発症する方も増えています。良くなったり悪くなったりを繰り返す「再燃・寛解」を特徴とし、長期的な管理が大切です。
主な症状は、血便、粘液便、下痢、腹痛、残便感、便意切迫、体重減少です。軽症では便に少量の血が付く程度のこともありますが、進行すると、血便、下痢や腹痛、発熱、貧血を伴うこともあります。
はっきりした原因は完全には分かっていませんが、免疫の異常、腸内細菌バランスの変化、体質、環境要因、ストレスなどが複雑に関係すると考えられています。
食事やストレスのみが原因ではありませんが、脂っこい食事、睡眠不足、過労、感染性腸炎をきっかけに症状が悪化することがあります。
診断で最も重要なのは大腸内視鏡検査です。
治療の基本は、炎症を抑えて症状を落ち着かせ、再燃を防ぐことです。
薬は、5-ASA製剤、ステロイド、免疫調節薬・JAK阻害薬・生物学的製剤。
潰瘍性大腸炎は放置しないことが重要です。
症状が軽くても炎症が続いていると、粘膜障害が進みます。
放置により以下のリスクがあります。
そのため症状が落ち着いていても、定期的な大腸カメラで炎症評価を行うことが重要です。
潰瘍性大腸炎では、長期間炎症が続くことで大腸がんのリスクが上がります。
特に発症から8~10年以上経過した方では、定期的なサーベイランス内視鏡が推奨されます。
当院では炎症の範囲や経過年数を踏まえ、適切なタイミングで大腸カメラをご提案します。
腹痛・下痢・体重減少が続く方は、クローン病の可能性があります。
クローン病は、口から肛門までの消化管のどこにでも慢性的な炎症が起こる病気です。特に小腸の終わり(回腸)や大腸に起こりやすく、若い世代に多い一方で、近年は中高年で見つかるケースも増えています。症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す「再燃・寛解」を特徴とし、長期的な経過観察と継続治療が重要です。
主な症状は、慢性的な腹痛、下痢、体重減少、発熱、血便、食欲低下、腹部膨満です。病変が小腸にある場合は血便が目立たず、原因不明の腹痛や体重減少、貧血で見つかることもあります。
また、肛門病変を伴いやすいのも特徴で、痔ろう、切れ痔、肛門周囲の腫れや痛みが初発症状となることも少なくありません。
このような症状が続く場合は、早めの精査をおすすめします。
原因は完全には解明されていませんが、免疫異常、遺伝的体質、腸内細菌バランスの乱れ、環境因子が関係すると考えられています。
診断には大腸内視鏡検査が重要です。
特に回腸末端(小腸の出口)まで丁寧に観察することで、早期のクローン病を見つけられることがあります。
治療の目標は、炎症を抑えて症状を落ち着かせるだけでなく、粘膜治癒を目指して再燃や狭窄を防ぐことです。
クローン病では食事内容が症状に影響しやすく、成分栄養療法や脂肪を控えた食事指導が有効です。小腸病変では特に重要です。
薬は、5-ASA・抗菌薬、ステロイド、生物学的製剤・免疫調節薬・JAK阻害薬などです。
再燃を繰り返す場合や小腸病変、狭窄、肛門病変を伴う場合は高度治療が必要です。
当院では初期評価と導入タイミングの判断を行い、必要に応じて連携病院へ紹介します。
腹痛、下痢、便秘、お腹の張りを繰り返す方へ
過敏性腸症候群は、大腸カメラや血液検査で明らかな異常がないにもかかわらず、腹痛や便通異常が慢性的に続く病気です。
日本でも非常に多い疾患で、通勤・通学前の腹痛、会議前に急にトイレに行きたくなる、食後にお腹が痛くなる、便秘と下痢を繰り返すなど、日常生活に大きく影響します。
命に関わる病気ではありませんが、症状が長く続くことで仕事や外出への不安が強くなり、生活の質(QOL)を大きく下げてしまうことがあります。特にストレスがかかる場面で悪化しやすく、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴です。
腸に病変があるわけではなく、腸の動き(蠕動運動)と腸の知覚が過敏になっている状態です。わずかな腸の動きやガスでも強い痛みや張りとして感じやすくなります。
原因としては以下が関係します。
特に「大事な予定の前に腹痛が起こる」「休みの日は症状が軽い」という方はIBSの可能性があります。
IBSは症状の経過が重要ですが、まずは他の病気を除外することが大切です。
そのため当院では必要に応じて大腸内視鏡検査を行い、器質的な異常がないことを確認します。
IBSは症状のタイプに合わせて治療を行います。
大腸がんは、大腸の粘膜にできるがんです。近年、日本でも非常に増えており、40歳を過ぎると発症リスクが上がる代表的ながんの一つです。
多くは良性の大腸ポリープ(腺腫)が数年かけて少しずつ大きくなり、がん化して発生します。つまり、大腸ポリープの段階で見つけて切除することが、大腸がんの最も有効な予防です。
このような症状がある方は、早めの大腸カメラをおすすめします。
診断で最も重要なのは大腸カメラです。
大腸がんは、早期であれば内視鏡で切除できるケースが多く、開腹手術を避けられる可能性があります。
左下腹部痛、発熱、突然の血便が気になる方へ大腸憩室症は、大腸の壁の一部が外側に袋状にふくらんだ状態です。多くは無症状ですが、炎症を起こすと大腸憩室炎となり、腹痛や発熱の原因になります。また、憩室から突然出血して血便が出る憩室出血を起こすこともあります。
憩室炎では、腹痛、発熱、がみられます。一方、憩室出血では痛みを伴わず、突然の鮮血便や暗赤色便が出ることがあります。
このような症状がある場合は早めの受診をおすすめします。
診断では腹部CT検査が非常に重要です。
CTで大腸壁の炎症、周囲脂肪織の変化、膿瘍、穿孔の有無を確認し、虫垂炎や大腸がんとの鑑別を行います。炎症が落ち着いた後は、必要に応じて大腸カメラで大腸がんやポリープが隠れていないか確認します。
軽症の憩室炎では、消化のよい食事、腸を休めること、抗菌薬内服で改善することが多いです。
発熱や炎症反応が強い場合は、点滴・絶食での入院加療が必要になることがあります。通常は1週間以内で改善することが多いです。大腸憩室症・憩室炎は、早めに診断すれば多くが保存的に改善します。
当院では腹痛や血便に対して迅速に検査を行い、必要時はCT可能な連携病院と連携しながら、炎症後の大腸カメラまで一貫してサポートします。
腹痛や突然の血便がある方は、お早めにご相談ください。
腸閉塞(イレウス)は、腸の通り道が狭くなったり、腸の動きが低下したりして、食べ物やガス、便が先へ進めなくなる状態です。
腹部膨満、腹痛、吐き気、嘔吐、便やガスが出ないといった症状が特徴で、進行すると脱水や腸管壊死につながることがあるため、早めの診断が非常に重要です。
原因としては、開腹手術後の癒着、大腸がん、炎症による狭窄、便秘、ヘルニア、腸のねじれ(S状結腸軸捻転)などがあります。ご高齢の方や腹部手術歴のある方では起こりやすい病気です。
このような症状がある場合は早めの受診をおすすめします。
診断で最も重要なのは腹部CT検査です。
CTで腸がどこで詰まっているか、腫瘍・癒着・捻転・便塞栓など原因を確認し、緊急手術が必要な絞扼性イレウス(血流障害) を見逃さないことが大切です。
さらに、大腸がんやS状結腸軸捻転が疑われる場合には大腸内視鏡が非常に有用です。
内視鏡で閉塞部位を直接確認できるだけでなく、捻転の解除や腸管減圧ができることがあります。疑いの段階でも、CT所見をもとに内視鏡適応を迅速に判断します。
腸閉塞を放置すると、腸管の血流が悪化して腸壊死、穿孔、腹膜炎、敗血症につながることがあります。
当院では腹部膨満や便が出ない症状に対して迅速に評価し、必要に応じて内視鏡・CT・連携病院紹介までスムーズに対応します。
お腹の張りや嘔吐がある方は、お早めにご相談ください。
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